凄いなあ、世のなかにはこんな人もいるのね。
声には出さないけれど、私はさっきから同じ言葉を繰り返している。
見るからに整った顔のイケメンが、日本の日常では目にする機会もない中東の民族衣装を着て、流暢な日本語で私に話しかける。
このシチュエーションは私の想定をはるかに超えていた。
「どこかで休みましょうか?」
本当にさりげなく、男性は私の背中に手を添え話しかける。
街中でこんな事をされれば、きっと用心して距離をとったことだろう。
私にだってそのくらいの警戒心はある。
でも、ここは空港のファーストクラスターミナル。
建物に入る際にパスポートの提示も終わっているから、怪しい人が入って来られる場所ではない。ある意味ここはどこよりも安全な場所だ。
「本当に大丈夫ですか?」
動こうとしない私に、男性の不思議そうな顔。
「あの・・・大丈夫です。ちょっと暑さに驚いただけですから」
男性の手をそっと離れ、私は頭を下げた。
私にも羞恥心はある。
男性の服装と顔立ちに興味がないと言えば嘘になるが、この場で身を預けてしまえるほどの大胆さもない。
周囲からの好奇の視線を感じ、私は数歩後ずさりした。
「そうですか、では気を付けて」
私の動揺を感じ取ったのか、男性はそれ以上引き留めることもなくスマートにその場を離れて行った。
声には出さないけれど、私はさっきから同じ言葉を繰り返している。
見るからに整った顔のイケメンが、日本の日常では目にする機会もない中東の民族衣装を着て、流暢な日本語で私に話しかける。
このシチュエーションは私の想定をはるかに超えていた。
「どこかで休みましょうか?」
本当にさりげなく、男性は私の背中に手を添え話しかける。
街中でこんな事をされれば、きっと用心して距離をとったことだろう。
私にだってそのくらいの警戒心はある。
でも、ここは空港のファーストクラスターミナル。
建物に入る際にパスポートの提示も終わっているから、怪しい人が入って来られる場所ではない。ある意味ここはどこよりも安全な場所だ。
「本当に大丈夫ですか?」
動こうとしない私に、男性の不思議そうな顔。
「あの・・・大丈夫です。ちょっと暑さに驚いただけですから」
男性の手をそっと離れ、私は頭を下げた。
私にも羞恥心はある。
男性の服装と顔立ちに興味がないと言えば嘘になるが、この場で身を預けてしまえるほどの大胆さもない。
周囲からの好奇の視線を感じ、私は数歩後ずさりした。
「そうですか、では気を付けて」
私の動揺を感じ取ったのか、男性はそれ以上引き留めることもなくスマートにその場を離れて行った。



