そこからは長々と蝶子さんによるお説教が続き、私は逆に蝶子さんから謝罪されてしまった。私だって加担していたのに。
それでも幌延さんは私を責めるどころか、明日、実家まで送ってくれることになった。迷惑をかけたお詫び、とのことだったが、私はどうにか辞退しようとした。
「違うんです。その、ドライブがてら話ができないかと思って」
幌延さんの顔を見る。耳まで赤い。
「手を握る前に、私はもっと前田さんのことを知りたいと思ったんです」
「私を」
「このまま別れてしまうのは、どうしても嫌で」
あたふたと「もちろん前田さんが嫌でなければ」とつけ加える幌延さんを、私は間抜け面で見つめる。
これからどうなるのかはわからないけど、少なくとも今日の夜は眠れそうにない。そんな予感がした。
──完──



