「ねえ、顔、まだ出してもらえない?」
「……」
五藤先輩が、頭を下げたまま、チラッとわたしのことを見上げる。
そんな五藤先輩からわたしが無言で顔をそむけると、五藤先輩は小さくため息をつきながら頭を上げた。
「……あ、そだそだ。一番大事なもん、渡すの忘れるとこだった」
胸ポケットから四つに折りたたんだ小さな紙を取り出すと、わたしの前に差し出した。
「これは?」
「橘爽くんの転校先が書いてある。アイツに口止めされてて、細かいことは言えないからさ。橘くんに直接会って聞いてくるといいよ」
「橘くんの転校先、ですか?」
そんなものを、どうして五藤先輩が知っているんだろう?
わたしが首をかしげると、
「行ってみれば、本当のアイツが、少しはわかるかも」
と五藤先輩が言った。
「あ、でもアイツには絶対ナイショな。俺のクビがヤバいからさ」
わたしに向かって何度も手を合わせながら、五藤先輩は去っていった。
「……」
五藤先輩が、頭を下げたまま、チラッとわたしのことを見上げる。
そんな五藤先輩からわたしが無言で顔をそむけると、五藤先輩は小さくため息をつきながら頭を上げた。
「……あ、そだそだ。一番大事なもん、渡すの忘れるとこだった」
胸ポケットから四つに折りたたんだ小さな紙を取り出すと、わたしの前に差し出した。
「これは?」
「橘爽くんの転校先が書いてある。アイツに口止めされてて、細かいことは言えないからさ。橘くんに直接会って聞いてくるといいよ」
「橘くんの転校先、ですか?」
そんなものを、どうして五藤先輩が知っているんだろう?
わたしが首をかしげると、
「行ってみれば、本当のアイツが、少しはわかるかも」
と五藤先輩が言った。
「あ、でもアイツには絶対ナイショな。俺のクビがヤバいからさ」
わたしに向かって何度も手を合わせながら、五藤先輩は去っていった。



