「……そうですね。今回のことで、葉月先輩のことがよくわかりました。今日は、このまま失礼します」

 葉月先輩に向かって頭を下げると、わたしはそのまま生徒会室を出た。


 橘くん、どうしてるだろう……。

 サッカーだけじゃなく、学校までも失って。

 未来への希望が絶たれたことを苦にして、最悪の場合……。

 そこまで考えて、わたしは慌ててぶるぶると頭を左右に振った。

 ……ううん! なに考えてるの、わたし。

 こんな想像をしてしまうなんて、そんなの橘くんに対しても失礼だよ。