生徒会所属膝枕係!?

 なんだか葉月先輩の様子がおかしい……気がする。

 なんていうか、いつもみたいな覇気がないっていうか。

 声がなんだか弱々しく感じる。

 少し迷ってからすっと立ち上がると、わたしは葉月先輩のもとへと歩いていった。


「葉月先輩。少しでもいいので、休んでください」


 こういうときは、多少強引にでも休んでもらわないと。

 この前みたいに倒れてしまうかもしれない。

 ——パシッ。

「痛っ」

 葉月先輩の腕を取ろうとしたわたしの手を、葉月先輩が払いのける。

「……すまない」

 葉月先輩が、小さな声で謝罪の言葉を述べる。

「ほら、栞奈ちゃん。睦、今忙しいみたいだからさ。今日は帰ろ?」

 五藤先輩が、わたしの肩に両手を置いて静かに言った。

「……わかりました。余計なことをして、申し訳ありませんでした」

 葉月先輩に頭を下げると、わたしは自分のカバンを持って、足早に生徒会室を出た。


 葉月先輩のことが、ただ心配だっただけなのに。

 葉月先輩にとっては、余計なお世話でしかなかったんだ。

 わたしは、葉月先輩に必要とされたときだけいればいい存在で、自分からはなにもしなくていいって言われたみたい。

 そんなの……ここにいるのは、わたしじゃなくてもいいんじゃない?

 そう思ったらなぜだか悲しくなってきて、こぼれ落ちそうになる涙を、唇をキュッと引き結んで必死に堪えた。