そして再び領収書の入力に戻ってしばらくすると、遠くの方から救急車の音が近づいてくるのに気がついた。
どうやら、学校のすぐそばで止まったみたい。
窓の方を見ようとしたら、
「そうだ! ねえ栞奈ちゃん、知ってる? 救急車って、タダで乗れるんだってさ」
と、五藤先輩がわたしに言った。
「その言い方は少し違うわね。市町村の税金で賄われているから、救急車を呼んだ人に個別に費用を請求されることがないだけ。まったくの無料っていうわけではないわ」
「へぇ~、そうなんですね」
「へぇ~、そうだったんだ」
わたしと五藤先輩の声が重なり、お互い顔を見合わせる。
「い、いや、そのくらいオレだって知ってたし? 常識だし?」
もう、ほんと五藤先輩っていいかげんなんだから。
なんて思いながら、ずっと静かな葉月先輩の方を見ると、なんだかさっき見たときより顔色が悪くなっているみたいだった。
「葉月先輩。あの……少し休まれた方がいいのでは?」
「大丈夫だ。今日中にこれだけは片付けてしまいたいから、もう水元は帰ってもらって構わない」
「でも……」
どうやら、学校のすぐそばで止まったみたい。
窓の方を見ようとしたら、
「そうだ! ねえ栞奈ちゃん、知ってる? 救急車って、タダで乗れるんだってさ」
と、五藤先輩がわたしに言った。
「その言い方は少し違うわね。市町村の税金で賄われているから、救急車を呼んだ人に個別に費用を請求されることがないだけ。まったくの無料っていうわけではないわ」
「へぇ~、そうなんですね」
「へぇ~、そうだったんだ」
わたしと五藤先輩の声が重なり、お互い顔を見合わせる。
「い、いや、そのくらいオレだって知ってたし? 常識だし?」
もう、ほんと五藤先輩っていいかげんなんだから。
なんて思いながら、ずっと静かな葉月先輩の方を見ると、なんだかさっき見たときより顔色が悪くなっているみたいだった。
「葉月先輩。あの……少し休まれた方がいいのでは?」
「大丈夫だ。今日中にこれだけは片付けてしまいたいから、もう水元は帰ってもらって構わない」
「でも……」



