「ごめんね、栞奈ちゃん。こんなこと、手伝わせちゃって」

「いえ。どうせ暇ですので、気にしないでください」

 申し訳なさそうに言う五藤先輩に、片手を左右に振ってみせる。 

「文哉。毎月毎月同じことを繰り返して。そろそろもう少し計画的にやったらどうなんだ」

 葉月先輩が、呆れたように大きなため息をつく。

「結果的には毎月間に合ってるんだから問題ないだろー」

 口を尖らせて文句を言う五藤先輩。


 いや、この量はちゃんと計画的にやらなきゃダメですよ、五藤先輩。

 領収書を片手に、パソコンへポチポチと入力していく。

 あるかないかもわからない例のお仕事のためだけに毎日生徒会室に来るのも、忙しそうな先輩たちの手前気が引けるので(五藤先輩は、月末以外はいつ見ても暇そうにソファーに腰かけてマンガ雑誌なんかを読んでいるけど)、簡単な雑用を手伝うようになったんだ。

 コピーをしたり、生徒会室の観葉植物のお世話をしたり。

 今日は、大量の領収書の山を目の前にして呆然としていた五藤先輩に、領収書の整理のお手伝いを買って出たんだ。