ふー。うん、完璧。床の埃やゴミも集めて捨てられたし、窓に付いていた指紋も落とせたし、黒板も地の深い緑色になったし。やっぱり、掃除すると綺麗になるし心も少しさっぱりするし、掃除はいいなぁ。好きだなぁ。でも、正直久保さんと山崎さんは苦手だな。言葉がきつい感じがして、"あの子"を思い出してしまう。だからこそ、嫌われないように、目をつけられないようにしなきゃ。
「はぁ。」
無意識にため息が出ていた。自分に対してのため息だ。過去に囚われている自分への、そして、人目ばかり気にして自分の気持ちを後回しにしてしまう自分への、ため息。
暗い気持ちに包まれながらも、私は歩く。家へ帰る。昨日は大雨だったから、水たまりがある。じっと見つめると、少し暮れて来ている哀愁漂う空と、周りの家々が映っていた。空を見上げる。あぁ、綺麗だな。久しぶりに、じっくりと空を見た。昨日雨が降ったおかげだ。大雨が降っている時は濡れるしじめじめするし嫌だけど、今こうして空を見るきっかけになったから、昨日が大雨でよかったな。
今日は嫌なことがあり下ばかり向いていたけど、だからこそ綺麗な景色を見れた。そして雨が少し好きになれたから、自分の名前にも少し愛着を持てた。
