「……ちゃん、ゆーちゃん。」
お母さんの声がドア越しに聞こえ、ゆっくりと目を開けると、朝日が目に飛び込んできた。眩しくて目を細めつつ、お母さんに「なに?」と返事をする。ドア越しにいるお母さんに私の声は届くのか、と思いながら。やっぱり聞こえなかったのか、お母さんがドアをガチャっと開けた。ドアから顔だけ出し、お母さんは口を開く。
「どないしたん?もう7時やで。いつもなら5時半には起きてんのに、具合でも悪いんか?とりあえず先下降りてパン焼いとくなー。」
お母さんはそう言い残し、そそくさと下へ向かう。お母さんの言葉を眠気で働かない頭で考える。
……。もう7時やで。もう7時やで。目覚まし時計を見ると、確かに7時。うん、完全に寝坊した。やっちゃった。
理解が追いつくと、私は慌ててベッドから降りて、着替える。シャツのぼたんを一つ掛け違えてしまった。こういう時ってなんでこんなに普段しないミスをするんだろうとイライラしつつ、ぼたんを外し、また止める。
