柚菜の朝は早い



朝が来ると、柚菜は冷蔵庫にある物で、弁当を作る


普通は、母親が作ってくれるのだろう


でも、この家には、普通なんて言葉はない。


朝一番に、この家で起きるのは柚菜。


静まり返る台所に行き、冷蔵庫を開ける


弁当を作ってくれているなんて事は絶対にない。


何もない冷蔵庫を見て、ため息をつく


柚菜「何入れようかな‥」


とにかく、冷蔵庫にある物を焼いて、弁当箱に詰める



妹の分の朝ごはんも作り食べさせる

納豆をご飯にかけただけだったり、卵を焼いただけだったり


柚菜「早く起きな?!ご飯食べて!」


妹を起こし、朝ごはんを食べさせ、学校の支度をチェックする。


小学生の頃、ほぼ給食でしか、ちゃんとしたご飯を食べれなかった



妹には、同じ思いはなるべくさせたくなかった。


自分がしっかりしなきゃと強く思う柚菜



昼、女の子達は皆、可愛らしい弁当箱にカラフルなおかずの数々。


綺麗に巻かれた厚焼き玉子 アスパラベーコン

ミニトマト ブロッコリー ほうれん草

デザートにはフルーツ


それに比べて   


柚菜の弁当は茶色一色



可愛げもない。


机を班で向かい合わせにして、昼を食べるのが嫌でしかたかがなかった。