雄太「何見てんの?」


ビックリして横を振り向くと、不思議そうな顔で柚菜の方を見る雄太の姿があった。


雄太とは、小学校の頃、同じクラスになったことがない。
頭が良く、明るく、誰とでも仲良くなれるタイプの男子。



柚菜「え?ごめん。なに?」


雄太「なんか嬉しそうだったから」


柚菜「あー。これ見てたの」


柚菜は机を指差す


雄太「いやいや、さっそく落書きとか‥」


呆れた顔で柚菜を見る


柚菜「え?あっ!違う違う!最初からだよ?」


雄太「そうなの?でなんで嬉しそうなの?」


柚菜「柚菜だからだよ!私の名前が」


雄太「そうなんだ!なら俺のYでもあるなっ!」



返答に困る柚菜


雄太はそんな柚菜を見て笑い出す



チャイムが鳴り先生が入ってきて、みんなが席に座る




今日は、部活見学があった。


紗弥「美術部かぁ〜いいかも」


柚菜「確かに!とりあえず色々見てみようか!」


紗弥「そうだね!卓球も気になるんだよねー」


柚菜「わかる!卓球どんなんだろうね」



色々な部活を見た結果

紗弥と柚菜は、卓球部に入る事にした。



帰り道




柚菜は、家に向かう足取りが重かった。


家が嫌いだった。


紗弥と別れ、家の玄関を開ける


その瞬間、柚菜の表情は無になる。



静かに靴を脱ぎ、2階に上がって行く。


相変わらず母親はいない。