靴箱に真っ白な靴を入れて、上履きに履き替える


一年の教室は3階


心が弾む


柚菜は、かなりの人見知り。
人見知りあるあるで、間が耐えられないタイプで、よく喋る。だから人見知りと思われた事はなかった。


紗弥と同じ一年三組


紗弥「そう言えば、隣誰だった?」


柚菜「誰だったかなあ?確か‥高橋君?」


紗弥「雄太《ゆうた》君?」


柚菜「そうだと思うよ?」


紗弥「いいなぁ〜私なんて山下だよ?」


紗弥は足を止め、ため息をつく


山下達也《やましたたつや》
小学生の時から忘れ物が多く、物を貸してあげてもすぐに無くしてしまい、いつも一言余分な事を言い、人を怒らせる。女子から嫌われるタイプの男子。



柚菜は、可哀想だなと思いながらも、自分じゃなくてよかったと、紗弥の肩を軽くぽんぽんとたたく。



教室に入り、自分の席に座る



少し大きめな制服を着た同級生達が、楽しそうに話している。

私服に見慣れているせいか、不思議な感じがする



柚菜は、自分の机を眺める


机のすみに、シャープペンで彫られたYの文字があるのに気付く


柚菜「あっYだっ。前に使ってた人もYがつくのかな」


柚菜は、クスッと笑う