ある日


いつもの様に、父親が迎えに来て車に乗り込む


父親「今日はオモチャを買ってやるから、オモチャ屋に行こうか」


柚菜と妹は、顔を見合わせ「うん!」と元気よく返事をする



父親の家に向かう途中


少し様子が変だった



車が真っ直ぐ走っていない


反対車線にはみ出したり、壁際ギリギリを走っていたり、スピードがゆっくりになったかと思ったら、いきなりスピードが早くなったり。


柚菜「ねえ‥もしかしてお酒飲んでるのかもしれない‥」


妹の手を強く握る


妹は恐怖で、顔がひきつる

今にも泣きそうな妹に「大丈夫だから」と言い、父親を見る



明らかにおかしい


柚菜「目をギュッてしてよう。そしたら見えないから怖くないよ」


妹に小声で話す



早く家に着くことを願う





30分位した頃



父親「二人とも着いたぞ」


目を開けると、オモチャ屋の前だった



父親「二人とも好きな物を持ってきな?」


妹は嬉しそうに走っていく



柚菜は、ゆっくり歩き店内を見て回る


妹「パパ!これがいい!」


高そうなドールハウス


父親は少し困ったような表情をしたが「いいぞ!買うか」とすぐに優しい表情に戻る


父親「柚は?」


柚菜は、セールと書かれた棚から、白いクマのぬいぐるみを手に取る


柚菜「これがいい」


父親「わかった!それにしよう」


レジに持っていく


妹は、凄く嬉しそうだった