柚菜〜初恋編〜

雄太と柚菜は、よく話すようになった。



ある日



雄太が手紙を握りしめて、苦々しい表情を浮かべている


柚菜「どうしたの?」


雄太「いや‥これもらったんだけど‥マジ無理。」


雄太が、手紙を破ろうとする手を止める


柚菜「中見たの?」


雄太「見てない。マジ無理。」


柚菜「駄目だよ破いたりしたら。それは失礼だよ?」



真剣な顔で雄太を見る柚菜



雄太は、手紙を開き読み始める



柚菜は、横からチラッと手紙を見る



可愛らしい字で書かれた手紙


名前が書かれている

果穂(かほ)


柚菜(可愛らしい名前)


どれだけ雄太が好きかが書かれている。
すごく真っ直ぐな内容だった。


静かに手紙を読む雄太


読み終えると、ため息をつく


雄太「早くクラスに戻らないかな。」


柚菜「ん?」


雄太「あそこにいる。」



教室のドアから、こちらを覗き込む二人の女子がいる



一人は、髪の毛がショートで、顔立ちも今時な可愛らしい女の子。


もう一人は、ポチャっとしていて、髪はセミロングで、少し地味な女の子。



柚菜「あそこで見てるのに破ろうとしたの?それはちょっと‥」


雄太「いや。でも何回も断ってるんだよ?付き合えないし、手紙とかいらないって。なのにしつこいんだから。どうしろって言うんだよ?」



柚菜「それはそうかもしれないけど‥でも破るのは駄目だよ。」