その画面を見るやいなや、木城くんは飛ぶように廊下へと踊りでた。

「待ちなさい! 1人じゃ危険よ!」

 先生の制止する叫びは、木城くんの背中には届かず廊下にぽとりと落ちた。
 私たちが木城くんを追いかけて廊下に出ると、静波ちゃんのママとばったり会った。
 あとから先生に聞くと、面談室まで呼んでいたらしい。

「先生! 静波は……!?」
「落ちついてください。先ほど場所がわかったんです」
「〝福栄〟って料亭です!」
「警察には連絡したし、おれたちも行くんだ」
「もう大人に任せて! 木城くんも止めないと!」

 先生はそう言ってたけど、木城くんはバイクでもうかっ飛ばしてる最中だろう。
 事故らないで、静波を絶対に助けて。
 私は騒ぎのなか、祈るしかできなかった。