私は昂志の目をまっすぐに見つめた。もう隠せないし、逃げられないと思った。
 そうだ。私は逃げてたんだ。
 昂志からも、自分の気持ちからも。
 自由でいてほしいなんて、ウソ。
 ずっと一緒にいてほしいし、彼氏になってほしいし、彼女にしてほしい。
 遠くにいても、私を忘れないで好きでいてほしい。
 でも、なによりもイヤなのは……。

「昂志にウソはつきたくないから……ちゃんと話すね」
「……別に、好きな人がいる、とか?」

 昂志の瞳と声が暗くなる。もう、どうしてそこで自信をなくすかな!?

「違う! 違くて、私の夢の話!」
「静波の夢?」
「そう」