まるごと大好き!

 さらに爆笑しようとする連中の背後に、芽衣里ちゃんは現れた。
 俺たちも含め、びっくりして動けない不良たちに持っていた消火器を吹きつけた。

「うおぉ!?」
「なんだ!?」
「あのガキ、ふざけやがって!」
「つかまえろ!」

 粉の煙に襲われて、視界が真っ白になってしまいなにも見えなくなった。俺たちもたまらず咳きこんで、袖で鼻と口をおさえる。これじゃ敵も味方もわからない。
 あわてふためく不良たちは、芽衣里ちゃんをターゲットに変えた。まずい!

「芽衣里!」

 廻と俺は、不良たちより先に芽衣里ちゃんを見つけようと駆けだした。
 だけど、俺たちの足はすぐに止まってしまった。