まるごと大好き!

「来たな」

 向かった廃工場に踏みこむ。
 そこには10人くらいの、いかにも「ヤンキーです」という見た目の連中が待っていた。

「……芽衣里は無事なんだろうな?」

 連中はいっせいに笑いだした。やたらと響いて不愉快になる。

「口の聞き方がなってねぇなぁ」
「お前ら、自分の立場わかってんの?」
「ここで叫べば助けにきてくれるかもな?」
「めーりちゃーん、たすけてーってか!」