『今日の3時、プレイルームで待ってる!』
自分で言っておいて、あれは少し強引だったかなと反省。
花鶏の病室を聞けば良かったか…?
そもそも花鶏はプレイルームとか知ってんのか?
どんどん不安はつのる。
3時まで、あと4時間半。
花鶏が来てくれないかもしれないと考えるだけで泣きそうになった。



昼食をとるため、食堂へ向かう。
今日はA定食はご飯、魚のフライ、ほうれん草とコーンの炒め物、お味噌汁、リンゴ。
B定食は、コッペパン、イチゴジャム、ツナサラダ、コーンスープ、梨。
俺はB定食。
お盆に皿をのせていき、自分の席に座る。
食事を口に運ぶ。
結構ずっと食べているからあまり美味しいとは思わないけど、洋食は結構好き。
もぐもぐと食べていると、隣に誰か座る気配がした。
「よっ」
コトン、と容器を置く音。
「夏…」
雨宮夏、冬凪中学2年生。
かなりの毒舌。
足を部活で骨折してしまい、この病院に入院している。
「俺もいるよん」
「朝日!」
三嶋朝日。
中性的な見た目と名前で勘違いされることも多いけど、れっきとした男の子だ。
桜ヶ丘中学の1年。
双子の弟、夕日がいる。
朝日はB定食、夏はA定食を選んでいた。
「いっただっきまーす!」
にこにこ笑顔で手を合わせる夏に、呆れた様子の朝日。
「もーコッペパン飽きたー」
コッペパンをちぎり、口に運ぶ朝日。
「じゃあA選べば良かったじゃん」
夏が冷静にツッコミを入れる。
くだらない話をして、食事を終えた。


自室に入り、調理員さんから特別に貰ったタッパーを開ける。
中に入っていたのは_美味しそうなメロン。
1口サイズに切られたメロンを食べながら、教科書を取り出す。
勉強が遅れる訳にはいかないから、自主的に勉強。
まぁ、どーせ死ぬし意味ないんだけどね。
メロンは結構な量入っていて、10個くらいつまんだとは思ってたけどまだまだ入っている。
残りは花鶏と食べよう。
タッパーの蓋を閉めて、備え付けの冷蔵庫にしまう。
そうして、残りの時間を過ごした。