っ、はぁ…はぁ…っ。
走って走ってたどり着いたのは、自分の病室。
誰にも教えていないし、勝手に来られる心配もない。
ふぅっとため息をつく。
とりあえず、お水飲も…喉乾いた。
洗面台に置いてあるガラスのコップに手を伸ばし、ミネラルウォーターを注ぐ。
悪いことって…このことなのかな…。
…いや、きっとまだ何かある。
だって…まだ嫌な予感がするから。
用心しなきゃ…。
そう思ったとき、ズキリと頭に痛みが走る。
いつっ…。
なんだろ…やだなぁ…。
すると、急にガラッとドアが開いた。
「やっほーモブ。元気してた〜?」
「めっちゃきれーな部屋じゃあん。あたしの部屋よりきれーだし笑笑」
入ってきたのは3人組の中学生くらいの女子。
右からロングヘアの人、ショートカットの人、編み込みツインテールの人。
だ、誰…?
私のこと、モブって…。
こ、怖い…っ。
恐る恐るナースコールに手を伸ばす。
「あっ、それは無しだよモブ!」
ロングヘアの女性にバシッと手を叩かれ、恐怖心が増してくる。
どうしよう…誰なのかわからないし、どうして私のことモブって呼んでくるんだろう…。
「あ、あの…誰ですか?」
勇気を振り絞ってそう言っても。
「え?…めっちゃウケる‪w‪w‪w‪何言ってんの?笑」
「ウチらのこと忘れるとかどんだけショックだったのよ〜」
ニヤニヤと笑うだけで相手にして貰えない。
「っ、何が目的ですか…」
「え?決まってんでしょ…アンタをめちゃくちゃにしにきたのよ」
そう言うとロングヘアの女性が近づいてくる。
やめて…こないで…っ!
怖くてぎゅっと目を瞑ったそのとき。
ガラッ!
「おい、何してる」
は…や、と…?
嘘、幻覚…?
立っていたのは…頭に包帯を巻いた隼人の姿だった。