どうしよう…どうしよう…っ!
隼人が倒れたのを目の当たりにしてしまった私は、パニックに陥っていた。
「隼人…!隼人っ!」
すると、見回りをしていた看護師さんが気づいてこっちに来てくれ、お医者さんを呼んでくれた。
隼人はどこかの手術室に運ばれたらしい。
この病院は手術室が4か所もあって、どこがどこだかわからない。
試しに今Aのオペ室に来たけれど手術中のランプは灯っていない。
震える手をぎゅっと握りしめ、Bの部屋へ急ぐ。
Bのランプが灯っていたけれど、傍にあるソファーに座っていたのは全く知らない男性。
ここも、違う…。
うぅ…っ。
涙が零れそうになるのをぐっと拭い、今度はCの方へ歩き出す。
と、不意にスマホが鳴る。
ブーッ、ブーッ。
誰…?
慌てて確認すると、それは朝日さんからで。
震える指で通話ボタンをタップする。
「もし、もし…」
『もしもし花鶏ちゃん!?今どこ!?』
「今…Cのオペ室前に…」
『っ、え!?』
朝日さんの驚いたような声が響く。
『さっきね、隼人みたいな人がD室に運ばれてったって聞いたから…花鶏ちゃんを送るって言ってたし、心配で…』
「っ…そうです…きっと隼人です…っ」
『……』
呆れられた…。
隼人が倒れたのを真っ先に言えば良かったんだ…。
「ごめん、なさい…」
消え入るような声で謝る。
『とりあえず、D室で待ち合わせしよう。D室わかる?』
「はい…」
『1回切るね?じゃあね』
プツッと切れた電話。
ぐっとスマホを握りしめ、D室へ急いだ。