「俺の言ってることわかるよな?兄貴」
相変わらず不敵な笑みを浮かべる卓也。
「俺がもし、高校に密告したらどうなると思う?海璃は退学。兄貴は…懲戒免職だろうな」
今の卓也は悪魔にしか見えない…。
「脅迫してんのか?」
優依は握った手が震えていた。
「言ってほしくなかったら、海璃と別れるんだな」
「俺は別れないよ」
優依の言葉に、卓也の顔が強張った。
「密告したかったら勝手にすればいいだろ?お前のそういう卑怯なとこは親父にソックリだな」
「ホントにいいのか?」
「好きにしろ」
優依はそう言うと、卓也に背を向けた。
優依…。
ホントに大丈夫なの?
卓也の言ったことは、脅しだけかもしれない…。
でも…ホントだったら…。



