「海璃の新しい彼氏って兄貴だったのかよ…」
卓也が吐き捨てるように呟いた。
「そうだ。海璃は俺と付き合ってるんだ。だからもう海璃の前に現れるな」
優依はそう言うと、私の肩を抱き、
マンションの中に行こうとした。
「兄貴!」
背後で卓也の叫ぶ声がする。
振り返る優依。
「兄貴って、確か…○○高校の教師だったよな?」
卓也が不敵な笑みを浮かべながら言った。
「それがどうした?」
「海璃も○○高校だったよな?」
私の体が"ビクン"と反応する。
卓也の不敵な笑み。
卓也が何を言おうとしてるのか…。
もう…優依との関係は終わってしまうの…。
足がガクガク震えて、力が抜けて、
床に崩れ落ちそうな体を優依が必死に支えてくれていた。



