マンションに帰り、エントラスに入ると…。
「海璃!」
後ろで呼び止められた。
聞き覚えのある声…。
私は、ゆっくり振り向くと…。
そこには、卓也が立っていた。
「卓也…」
何でここにいるの?
今更、何の用があって…ここにいるの?
「久しぶりだな」
笑いながらこちらへ向かって来る卓也。
私は、卓也と目を合わせないように俯いていた。
「なぁ…海璃…」
「………」
「クリスマスの時は悪かったな…」
「何の用?」
私は、顔を上げて卓也の顔を見た。
殴ってやりたい…。
私は、唇を噛み締め、手をギュッと握っていた。