「海璃?」



優依が寝室に入って来た。


私は、泣いてるのを見られるのがイヤで、優依に背を向けた。



「海璃?どした?着替えないのか?」



"ギシッ"っと優依がベッドに座った音がした。



「………」



涙が止まらないよ…。



「海璃?」



優依が私の顔を覗き込む。



「何泣いてんだよ」



優依が、私の頬に流れていた涙を指で拭いながら言った。


「泣い…て…ない…もん…」


「嘘つくな」



優依が笑いながら言った。


優依?
もし私が"帰りたくない"って言ったら…。
あなたは何て答える?
"いいよ"って言ってくれる?
たぶん"ダメ"って言うよね?