「優依…ファミレスでも良かったんだよ?」



私は、優依に小声で言った。



「昼も夜もイタリアンで良かったの?ホントはさ、ここに夜来るつもりだったんだけどな」



えっ…。



「言ってくれたら良かったのに…」


「サプライズのつもりだったから言ったら意味ないだろ?」


「サプライズ?」


「今日、誕生日だから。そのサプライズ」



優依はグラスに入った水を飲んだ。



誕生日って…。
どうして?わかったの?
優依に誕生日って話したのって…昨日が初めてだよね…。



「ねぇ…優依に誕生日って言ったのって昨日が初めてだよねぇ?」


「俺を誰だと思ってんの?」



優依が微笑みながら私を見る。



「はっ?」


「一応、お前の通う高校で教師をしてるんですけど。生徒の誕生日を調べるくらい簡単なことなんだよ」



優依はフフッと鼻で笑いながら言った。