「どこ行きたいか決めたか?」 優依が前を向いたまま聞いてきた。 「その前に…お腹空いたんですけど…」 私がそう言うと、優依は車のデジタル時計をチラッと見た。 「何食いたい?」 「じゃー…イタリアン!」 優依の方を向いて言ったら…。 「却下」 だって…。 「何で~?」 「イタリアンは夜食わしてやるから。他のもんにしろ」 「え~。今食べたい!」 「夜まで我慢しろって!」 「じゃーいい!」 私は、プイを優依と反対方向を向き、窓の外を見ていた。 却下するなら聞かないでよ!