「ねぇねぇ。どこ行くの?」
車の中─。
私は、運転してる優依に言った。
「さぁな」
「さぁなって…。どこに行くか考えてないの?」
「あぁ」
タバコのボックスに手を伸ばす優依。
「海璃の行きたいとこに連れて行ってやるよ。誕生日だからな。俺って優しい彼氏だと思わねぇ?」
優依がチラッとこちらを見て言った。
「はぁ?何自分で言ってんのよ。性格最低でドSだし、おまけに暴力振るうし」
「それが俺の愛情表現なんだよ。てか、暴力って何だよ。デコピンは暴力のうちに入らねぇぞ」
「私の中では入るんですぅ」
ホントは優依のことが大好きなんだけどね…。



