「用意出来たか?」
テレビを見ていた優依が話し掛けてきた。
「まだ。これからメイクするから」
「早くしろよ」
「わかったわよ」
私は、洗面所に行き、
優依が買ってくれた歯ブラシで歯を磨いた。
鏡を見てると顔がニヤけてくる。
私って…やっぱ変態?
歯を磨き終わり、顔を洗ってメイクを始める。
メイクが終わると髪をセットして…。
「おい!何やってんだよ!おせぇぞ!」
リビングから優依の声が聞こえた。
「もうちょっと待ってよ!」
「はよしろよ!」
男って言うか…優依はわかってない!
女性がメイクや髪をセットするのに
どれくらい時間がかかるか…。
10分で出来るわけないじゃん!
しかも好きな人と出掛けるのに、てきとーなんかイヤだし。
髪をセットして、リビングに行くと…。
優依は立って待っていた。
「おせぇ」
「10分で用意するの無理って言ったじゃん!」
「ほら、行くぞ」
優依はそう言うと、玄関に行った。
私は慌てて鞄を持ち、優依の後を追った。



