私は、高校の友達からもらったメールに返信して、
携帯を鞄の中にしまった。



「ねぇ…」



リビングのラグの上に座ってる優依の背中に、
おんぶの格好で乗りかかった。



「重い…」


「失礼な」


「何だよ」


「私、明日が誕生日なんですけど…」



忘れてたけど…。



「だから?てか、忘れてたんだろ?さっきの友達からのメールで思い出したんだろ?」



するどい…。
でも普通は「おめでとう」とか言うもんじゃない?
"だから"って何よ!



「プレゼントちょうだい?」



私は優依の顔の前に手を出した。



「さっき歯ブラシやったろ?あれが誕生日プレゼントだ」


と、優依は私の手の平を軽く叩いた。



「えぇ!あれがプレゼント!?」


「だって嬉しくて泣いてたじゃん」


「………」


「何が欲しいんだよ」


「…赤ちゃん…」



私は、優依の耳元で囁いた。


こう言ったら、優依は何て答えるだろ…。