顔を上げて優依を見る。



「機嫌、直った?」



優依は笑顔で言った。


私は、足下の雪を掴むと、優依の胸元に投げ付け、



「機嫌…直った…」



と、呟いた。



「寒いから入るぞ」



優依が立ち上がる。



「はい」



私は優依に手を出す。



「何?」


「引っ張って」


「自分で立てよ」



そう文句を言いながらでも、優依は手を握って立たせてくれた。


そういうとこが好き…。


私は、優依の作った雪だるまを持って玄関まで行った。


雪だるまを玄関の脇に置いて、部屋の中に入った。