「これ買いに行ってたんだよ」



優依はそう言うと、私にコンビニの袋を差し出した。


袋を受け取り中を見ると、ピンク色の歯ブラシが入っていた。



「これ…」



私は顔を上げて、優依の顔を見る。


目には涙が溜まっていた。



「これから必要だろ?」



優依が私の顔を見て笑った。



「ありがとう」



私は、泣き笑いの顔で優依に抱きついた。



「泣くほど嬉しかった?お前って安上がりな女だな」



私専用の歯ブラシ。
優依の部屋の中に、私専用のものがあるのが凄く嬉しかった。