「やっとこっち向いた」



ニコッと優しい笑顔の優依。



「な…何?」


「食べ物で釣られるなんて、やっぱり海璃はガキだな」



優依が笑う。



「もー!知らない!」



私は、また横を向いた。



「さっき言ったこと…本気だからな」


「さっ…さっき言ったことって何よ?」



わかってるくせに素直になれない私。



「だから、俺の子供を産んでくれる?って言ったやつだよ!2回も言わせるなよ」



私は、顔だけ優依の方に向いた。


泣いたらダメだと思いながら、私の目には既に涙が溜まっていた。