海に着くと、辺りは暗くなってて、
あの時と同じように、静かに波の音だけが響いていた。


優依と私は浜辺に座った。


優依が「冷えるから」って、自分の着てたパーカーを私の肩にかけてくれた。


夜空には月が出ている。


あの時と同じ満月。


金色に輝く月が、海を照らしていた。



「青い月じゃないね…」



私は、月を見ながら言った。



「これから青くなるかもしんねぇだろ?」


「…うん」



優依が私の肩をそっと抱きしめてくれた。