優依が刺されてから、しばらくして妊娠してることがわかった。
妊娠した時には、嬉しさと…同時に不安が頭を過ぎった。
でも、授かった命をどうしても産みたかった。
優依との間に出来た赤ちゃんをどうしても産みたかった。
「俺…何て言っていいのかわかんねぇけど…。すっげー嬉しいんだけど」
優依が笑顔で言った。
「産んでも…いいの?」
「当たり前だろ?そんなこと聞くなよ」
「良かった…。ありがとう優依」
私の目な涙が溜まる。
「ほら~。また泣く」
優依が指で涙を拭ってくれた。
「だって…不安だったから…」
「不安にさせてゴメンな…。
でもこれから海璃と子供のために頑張るから。なっ!」
優依が私の頭を撫でてくれた。
私は泣き笑いの顔で"うんうん"って頷いた。
いつの間にか、私の中の不安は消えていて、
今はただ嬉しさが込み上げてきていた。



