「名前で呼んでみ」
「……ゆう…い……」
恥かしい~…。
「はい!やり直し」
「えぇ!」
「ちゃんと呼ぶまで、何度でも言わすからな」
私は、大きく息を吸うと…。
「優依!優依!ゆういーー!!」
と、何度も先生の名前を叫んだ。
「よく出来ました。でも学校では先生って呼べよ」
先生は、後ろから抱きしめたまま、
そう囁くとキスしてきた。
誰もいない教室で、先生との初めてのキス。
そのキスは、降り続いてる雪を溶かすくらい暖かいキスだった。
妄想が現実になった瞬間でもあった──。
そして、今日から私たちは…。
"教師"と"生徒"の関係に加えて、
"彼氏"と"彼女"の関係になった。