「どうしました?」



マンションの住人なのか、
それとも…ただ通りすがりの人なのか…。


1人の男性が入って来た。



「彼が!彼が刺されて…。お願い…お願いします…救急車を呼んで…下さ…い…」



私の言葉に驚いた男性は、私の傍に走って来ると、
ジーンズのポケットから携帯を取り出して、救急車を呼んでくれた。


そして、優依の上に、着ていたコートをかけてくれた。


それから、放心状態の卓也を落ち着かせ、手からナイフを取ると、警察にも電話してくれた。