私の白いワンピースが真っ赤に染まっていく。


優依は顔を歪ませて苦しそうにしていた。


優依…。
どうしよ…。
イヤだ…優依…死んじゃイヤだ。


卓也は、血のついたナイフを持ったまま突っ立ていた。


私は、目にいっぱい涙を溜めて、卓也を睨んだ。



「海…璃…」



優依が私の名前を呼ぶ。



「優依!」



私は優依の顔を見た。



「海…璃…ゴメ…ン…な…」



私は無言で首を横に振った。


きゅ…救急車呼ばなきゃ。


私は、ワンピースのポケットに手を入れる。


携帯がない…。
どうしよ…。
このままだったら優依が死んじゃう。
どうしよ…。