私は部屋でボストンバッグに、お泊まりの用意をしている。


優依はリビングにいる。


ボストンバッグに荷物を詰めて、
私は優依がいるリビングに行った。


その時─。


♪~♪~♪~


鞄の中の携帯が鳴った。


私は、鞄の中から携帯を出して画面を見た。


この番号…。


見覚えのある番号。


それは、クリスマスの日にメモリを削除した卓也の番号。

携帯を持つ手が震える─。



「どうした?」



優依が心配そうに聞いてきた。



「あ…う…うん…」



私は携帯を見たまま返事をした。



「携帯貸せよ」



優依が手を出す。



「えっ?」


「いいから貸せ!」



優依は荒い口調で言った。


私は無言で携帯を優依に渡した。