「そろそろ行かなきゃ」
ママがリビングの時計を見て言った。
「藤本さん、何もお構い出来なくてゴメンなさいね」
「いいえ」
ママはソファーから立つと、
「じゃーね」
と、笑顔で言って、リビングを後にした。
「お前のかーちゃん良い人じゃん」
「うん」
「俺たちも何か食いに行くか!」
「うん」
「何食いたい?」
「う~ん…焼肉!」
「焼肉って…お前さぁ…もっとオシャレなもんを言えよ」
「今日はガッツリ肉が食べたい気分なの!」
私は優依の顔を覗き込んだ。
「しょうがねぇなぁ。じゃー行くか!」
「うん!ってその前に服を着替えるから待ってて」
「おぅ」
私は立ち上がり自分の部屋に行った。