リビングに入ると…。
ちょうど部屋から美咲さんが出てきた。
「あら海璃。久しぶりね~」
着物姿の美咲さん。
娘に対して久しぶりって…。
「あら…海璃の彼氏?」
美咲さんは優依を見て笑顔で言った。
「あっ…初めまして。海璃さんとお付き合いさせてもらってます。藤本優依と言います」
優依が笑顔で言うと、頭を軽く下げた。
「いい男じゃない?海璃のこと宜しくお願いします」
美咲さんも頭を軽く下げる。
「海璃。ママね、また2、3日帰って来れないのよ。これで足りるかしら?」
美咲さんが、財布から3万円取り出すと、
リビングのテーブルの上に置いた。
「そろそろ行かなきゃ。藤本さん、ゆっくりして行って下さいね」
美咲さんはそう言うと、リビングから出て行った。



