「そうだ、明日香。昨日の夜やす子に頼まれたの、『今日は帰りが夜中になるから純をお願い』って。学校で会ったら、夕飯うちに来る様に誘ってあげてね。」


「うん、わかった。
でも、夜に純ちゃんのおばさんに会ったの?…さては、また私が寝た後にパパと三人で飲んでたな?」


にやりとしながらママを見ると笑っていた。


「純君には内緒よ。最近ね、『明日香のおばさんに甘えすぎだ』って、やす子は怒られてるみたいだから。」


「純ちゃんに?」



「そうよ。私とやす子は家族同然。そんな気を使わなくていいんだけどね。純君も大人になってきてるから、色々考えちゃうんだろうね。」




そう。
ママと純ちゃんのおばさんは、小さい頃から家が近所で仲良しだった。

学年も同じで、中学校まではもちろん同じ学校に通っていた。


ママはパパと結婚して、その五年後に今の家を買ったらしい。
まだ私はいなくて、お兄ちゃんと三人家族だった。


そして純ちゃんのおばさんは、それから更に四年後に結婚したらしい。

今は亡きおじさんと家を探していたら、たまたまうちの隣の空き地が売りに出されていた。

二人共、運命の様なものを感じたって、いつも話してくれる。


"二人は一生親友だって。"
本当、すごいと思う。


それから、私と純ちゃんを妊娠した時期まで似てるんだから。

だから私と純ちゃんの誕生日は二週間しか違わなくて、小さい頃は、二家族合同で二人一緒に誕生日を祝って貰った。



懐かしいな。

おじさんが亡くなってからは、全然そういう事してないな。