この日、二人は泊まっていく事になった。



雅さんは遠慮していたけど

『妊婦さんは無理しちゃダメよ』

なんて言いながら、ママが強引に引き止めた。




そして私は、ママに頼まれて、お兄ちゃんの部屋に布団を敷く事になった。


お兄ちゃんの部屋と言っても、五年も主がいないのでほとんど家具はなく、こざっぱりしていて客間の様だ。


だから布団は敷き易い……はずなんだけど……。




『雅さんが冷えるといけないから毛布と羽根布団と…』

なんて言いながら、ママは沢山布団を運ばせるから、慣れない私は手こずっていた。



「もう!人使い荒いんだから。」


ぶつぶつ文句を言いながら、最後の毛布を部屋に運び入れた。