もう嫌だ。 泣かないでって、さっき言われたばかりなのに。 だけど止まらないんだよ? 自分でもコントロール出来ないんだよ? 「……ごめん、私帰る。」 外はすっかり真っ暗で、立っているだけで風が体温を奪っていく。 身体も心も冷たく冷えていくみたいで、もうこの場にいたく無かった。 「――明日香…。」 背後から、純ちゃんの声が聞こえた気がしたけど ――振り返らなかった。