海岸で行われる花火大会。
その道沿いには縁日の露店が立ち並ぶ。
たくさんのお店からいい匂いが立ち込め、私の鼻を刺激する。
「いい匂いだね。」
焼きそば、タコ焼き。
焼もろこしに串焼き。
じゃがバター、お好み焼き。
それから、かき氷やりんご飴、チョコバナナも。
毎年の事だけど、この道を歩くだけでワクワクする。
ふと気が付くと、辺りをキョロキョロと見ている私を、純ちゃんが笑いながら見ていた。
「…え?純ちゃんどうしたの?」
「いや、明日香らしいと思って感心してた。」
「私らしい?何が?」
「食べ物ばっかり見てる。」
「……///」
純ちゃんの鋭い突っ込みに、どんどん顔が熱くなる。
去年までは何でもなかったはずなのに、いざ彼氏となった純ちゃんに言われると、とてつもなく恥ずかしい。


