「あのね……。」









――――――


それから私は友季子の話に頷く事しか出来なかった。



「…そっか。明日香も知らないのか。じゃあさ、聞いてくれないかな?私、文化祭の最中に頑張って告白しようと思ってるんだ。」



頬を赤く染めて話す友季子が、とても綺麗に見えた。




「…うん。」


「良かった!ありがとう、お願いね明日香。」



友季子はニコニコしながら家庭科室から出て行った。


その姿を見送って、思わずため息が出た。


あんなに真剣に話してくれたのに
「…うん。」
なんて、素っ気ない返事しか出来なかった。


私……最低?


だけど、胸がズキズキ痛んで……ちゃんと話を聞いてあげられなかった。



…どうして?