「ねぇ、これかわいいよ。」

「え?どれどれ?」




さっきから私と若葉は真剣に洋服を選んでいる。


修学旅行を来週に控え、二人で買い物に来ていた。


もちろん制服で行くのだが、自由行動の時やホテルの中では私服で構わないと決まって、私達は浮かれていた。





一通りの買い物が終わって時計を見ると、もう午後3時。

開店と同時位にはショッピングモールに着いていたのに、まだランチもしていなかった。



「お腹空いたね?」

「だね。」


私達は顔を見合せて笑った。


「どれだけ、夢中で買い物してたんだろうね?」


「本当。まぁ、明日香の場合は見せる相手がいるからね、気合いも入るよね?」

若葉はまた私をからかう様にニヤニヤ笑う。


「若葉だって、その服着て先輩とデートすればいいじゃん!?」


私は笑いながら軽い気持ちで言ったのに…若葉は俯いてしまった。