生贄教室

理沙が反射的に悲鳴を上げる。
「こんなところに残ってたのか」
驚いた顔を浮かべたのは緑井色の作業服を来た50代くらいの男性だった。

その人は学校内で何度も見たことのある用務員さんだ。
作業服の胸元には名前が刺繍されていて、池田智と書かれている。
「な、なんだよ……驚かせるなよ」

利秋がその場に座り込みながら安堵のため息を吐き出す。
相手が用務員さんだとわかったことで、教室内の緊張が一気にとけていく。
「よ、用務員さん、どうして学校に?」

美麗が質問すると用務員さんはきまり悪そうに笑って「実は最後の戸締まりをする前に少しうたた寝をしてしまったね。そのせいで学校に取り残されたんだ」と、説明してくれた。
起きたときにはもう外に化け物がいて、今までずっと用務員室でテレビをつけて状況をさぐっていたらしい。