生贄教室

少しでも動いて教室内に人がいるとわかれば、すぐにでも襲いかかって来られそな気がした。
外にいるあの化け物がやってきたような錯覚があった。

「この……誰だよ!?」
沈黙に耐えきれなくなったのは利秋だった。
叫び声に反応してドアの向こうで後退する音が聞こえた。

それでも相手は逃げようとしない。
利秋が更に声をあげようとするのを寸前のところで昂輝が止めた。
「やめろ!」
小声で怒鳴って利秋の口を塞ぐ。

こんなときに大声を出すバカがどこにいるんだよ。
と心の中で利秋に毒づく。
自分の心臓は早鐘のように売っていて、廊下にいる人物に視線は釘付けになった。

全員がシンッと静まり返ったそのとき、ガラガラと音を立てて教室のドアが開かれたのだ。
「ひっ」