生贄教室

「もう、外に出たいよ……」
呟いたのは理沙だった。
理沙はさっきからうずくまって座り、顔を上げない。

小刻みに震えているから、ずっと泣いているんだろう。
「理沙、大丈夫?」
仲のいい妙子が声をかけるとようやく理沙は顔を上げた。

「さっき、両親と連絡を取ったの」
「大丈夫だったの?」
「うん。みんな、もう街の外の避難してる。助けに来て欲しいけど、もう街の入り口は封鎖されてるんだって」

「じゃあ、外からは誰もないって来られないんだ?」
理沙は小さく頷き、また膝に顔をうずめてしまった。
「一般人は入って来られなくても自衛隊や警察の部隊ならきっと来てくれるよ」

「本当に、そう思う?」
くぐもった声は悲観的だ。